実践ガイド

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はじめに

この実践ガイドは、2016年にGSG国内諮問委員会により発行された「社会的インパクト評価ツールセット実践マニュアル」を、社会的インパクト・マネジメントの実践ガイドとしてアップデートさせたものです。

本ガイドは、主たる使い手として事業者を想定しています。ここでいう事業者とは、営利、非営利を問わず、また、規模の大小を問わず事業を行う団体を指します。

また、本ガイドは、ツール集の他の構成要素である「調査・分析手法(ロジックモデル等)」「アウトカム指標データベース」と併せて使われることを想定して書かれています。社会的インパクト・マネジメントの実践におけるロジックモデルの構築や、測定するアウトカム(成果)の特定、また測定方法の選定などの場面でのガイド役的役割を果たすように考えてあります。これにより、以下の3点が可能となるよう意図されています。

  • 1.社会的インパクト・マネジメントの実践の流れをステップ・バイ・ステップ形式で理解できる。
  • 2.事業の分析や社会的インパクトを評価するために「何を」「どのように測定すればいいのか」が理解できる。
  • 3.明らかになった測定対象であるアウトカム(成果)を調査・分析し、外部へ報告し、自団体の事業の改善につながるような実践へと昇華できる

上記に加えて、内部評価の試行にも役立つようにと考えています。
もちろん、事業に外部評価者が存在する場合や、事業者の近くに助力を惜しまない評価専門家がいれば、それらの人々にアドバイスを求めたりしながら、本ガイドを含めたツール集の内容を活用することは好ましいことです。

本ガイドは他のツールと共に今後も継続的に更新していくことを予定しています。そのためには、利用者の方のフィードバックが欠かせません。
ツール集の内容の改善に向け、ご意見がありましたら、ぜひSIMIまでお寄せ下さい。

本ガイドの目的

本ガイドは、主に社会的インパクト・マネジメントの実践と、そこから得られた知見の事業への反映を通じて、事業の社会的価値の深化をもたらそうとする事業者を対象に作成されたものです。

「社会的インパクト評価」は資金提供者(助成財団や社会的投資家等)の関心を集めるものになっています。同時に、社会的活動を行う事業者自らが評価のさまざまな手法を駆使して事業の社会的インパクトを可視化し、そこから学び、事業を継続的に改善していくことも社会的インパクト評価の重要な側面です。

この観点から、本ガイドが対象とする「社会的インパクト・マネジメント」も、基本的には社会的事業を行う事業者が組織内部の作業として実施することを想定しています。ただし、調査・分析は事業者だけで行うのではなく、外部の専門家や評価者の助けを借りて実施することもよくあります。本ガイドでも紹介している評価分析の量的手法・質的手法などは、専門性がないと実践できない場合も多く、それを明示するために、本ガイドにも、各ステップに「ここは支援の得どころ!」と注釈を入れてあります。必要に応じて専門家や評価者の助けを借りて調査・分析を実施することを検討してください。

また、本ガイドの利用にあたっては、下記も併せてご参照ください。

関連コラム

参考文献

  • 内閣府(2016)「社会的インパクト評価の推進に向けて
     -社会的課題解決に向けた社会的インパクト評価の基本的概念と今後の対応策について-」
  • Fetterman, David M., and Abraham Wandersman (Eds.)(笹尾敏明監訳, 玉井航太・大内潤子訳, 2014)『エンパワーメント評価の原則と実践 : 教育、福祉、医療、企業、コミュニティ介入プログラムの改善と活性化に向けて』風間書房
  • Muller, Jerry Z.(松本裕訳, 2019)『測りすぎ―なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』みすず書房
  • Patton, Michael Q.(大森彌監修, 山本泰・長尾眞文編, 2001)『実用重視の事業評価入門』清水弘文堂書房
  • Rossi, Peter H., Mark W. Lipsey, and Howard E. Freeman(大島巌・平岡公一・森俊夫・元永拓郎監訳, 2005)『プログラム評価の理論と方法:システマティックな対人サービス・政策評価の実践ガイド』日本評論社
  • Weiss, Carol H.(佐々木亮監修, 前川美湖・池田満監訳, 2014)『入門 評価学 政策・プログラム研究の方法』日本評論社
  • インパクト・マネジメント・ラボ「DE(発展的評価)引き出し集」(2020年4月1日閲覧)
  • 大島巌・源由理子・山野則子・贄川信幸・新藤健太・平岡公一共編著(2019)『実践家参画型エンパワメント評価の理論と方法~CD-TEP法:協働によるEBP効果モデルの構築』日本評論社
  • 粉川一郎・特定非営利活動法人コミュニティ・シンクタンク「評価みえ」監修(2011)『社会を変えるNPO評価―NPOの次のステップづくり―』北樹出版
  • 国際協力機構(2004)「プロジェクト評価の手引き」(2020年4月1日閲覧)
  • 国際協力機構(2016)「JICA事業評価ハンドブック(Ver.1.1)」(2020年4月1日閲覧)
  • 佐々木亮(2003)『政策評価トレーニング・ブック』多賀出版
  • 佐々木亮(2010)『評価論理―評価学の基礎―』多賀出版
  • 日本NPOセンター(2018)『知っておきたいNPOのこと5[事業評価編]』日本NPOセンター
  • 日本評価学会(2012)『評価倫理ガイドライン』(2020年4月1日閲覧)
  • 源由理子編著(2016)『参加型評価―改善と変革のための評価の実践―』晃洋書房
  • 三好皓一編(2008)『評価論を学ぶ人のために』世界思想社
  • 安田節之(2011)『プログラム評価―対人・コミュニティ援助の質を高めるために』新曜社
  • 龍慶昭・佐々木亮(2004)『<増補改訂版>政策評価の理論と技法』多賀出版

社会的インパクト・マネジメント、社会的インパクト評価

  • Epstein, Marc J., and Kristi Yuthas(鵜尾雅隆・鴨崎貴泰監訳, 松本裕訳, 2015)『社会的インパクトとは何か:社会変革のための投資・評価・事業戦略ガイド』英治出版
  • Estonian Social Enterprise Network, Koç University Social Impact Forum, Mikado Sustainable Development Consulting and Social Value UK (2017) Maximise Your Impact – A Guide for Social Entrepreneurs.(2020年4月1日閲覧)
  • Impact Management Project(2020年4月1日閲覧)
  • PwCあらた有限責任監査法人(2017)「内閣府委託『社会的インパクト評価の普及促進に係る調査』研修資料『ロジック・モデル作成の手引き』」(2020年4月1日閲覧)
  • Office of the Third Sector, Cabinet Office(ソーシャルバリュージャパン訳, 2019)「SROI入門」(2020年4月1日閲覧)
  • ケイスリー株式会社(2020)「2019年度神奈川県SDGs社会的インパクト評価実証事業 SDGs社会的インパクト・マネジメント ガイド」(2020年4月1日閲覧)
  • 新日本有限責任監査法人(2017)「内閣府委託『社会的インパクト評価の実践による人材育成・組織運営力強化調査』社会的インパクト評価ツールキット」(2020年4月1日閲覧)
  • 内閣府社会的インパクト評価検討ワーキング・グループ(2016)「社会的インパ クト評価の推進に向けて-社会的課題解決に向けた社会的インパクト評価の 基本的概念と今後の対応策について-」(2020年4月1日閲覧)

調査・分析手法、統計

  • Torgerson, David J., and Carole J. Torgerson(原田隆之・大島巌・津富宏・上別府圭子監訳, 2010)『ランダム化比較試験(RCT)の設計―ヒューマンサービス、社会科学領域における活用のために』日本評論社
  • Vaughn, Sharon, Jeanne Shay Schumm, and Jane M. Sinagub(井下理翻訳, 柴原宜幸・田部井潤訳, 1999)『グループ・インタビューの技法』慶應義塾大学出版会
  • W. K. Kellogg Foundation(農林水産政策情報センター訳, 2003)「ロジックモデル策定ガイド」(2020年4月1日閲覧)
  • 小田利勝(2007)『ウルトラ・ビギナーのためのSPSSによる統計解析入門』プレアデス出版
  • 川端亮『データアーカイブSRDQで学ぶ社会調査の軽量分析』ミネルヴァ書房
  • 栗原伸一(2011)『入門統計学―検定から多変量解析・実験計画法まで』オーム社
  • 鈴木淳子(2005)『調査的面接の技法(第2版)』ナカニシヤ出版
  • 鈴木淳子(2016)『質問紙デザインの技法(第2版)』ナカニシヤ出版
  • グロービス(2016)『定量分析の教科書―ビジネス数字力養成講座』東洋経済新報社
  • 日本ソーシャルワーク学会監修(2019)『ソーシャルワーカーのための研究ガイドブック―実践と研究を結びつけるプロセスと方法』中央法規
  • 野村康(2017)『社会科学の考え方 認識論、リサーチ・デザイン、手法』名古屋大学出版社
  • 平山尚・呉栽喜・他(2003)『ソーシャルワーカーのための社会福祉調査法』ミネルヴァ書房
  • 宮本聡介・宇井美代子編(2014)『質問紙調査と心理測定尺度―計画から実施・解析まで』サイエンス社

マネジメント全般、組織文化・ガバナンス

  • Drucker, Peter F.(上田惇生訳, 2007)『非営利組織の経営』ダイヤモンド社
  • Laloux, Frederic(嘉村賢州解説, 鈴木立哉訳, 2018)『ティール組織―マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』英治出版
  • Senge, Peter M.(枝廣淳子・小田理一郎・中小路佳代子訳, 2011)『学習する組織―システム思考で未来を創造する』英治出版
  • Stroh,David P.(小田理一郎監訳, 中小路佳代子訳, 2018)『社会変革のためのシステム思考実践ガイド―共に解決策を見出し、コレクティブ・インパクトを創造する』英治出版
  • 雨森孝悦(2020)『テキストブックNPO(第3版)―非営利組織の制度・活動・マネジメント』東洋経済新報社
  • 伊藤大輔(2017)『担当になったら知っておきたい「プロジェクトマネジメント」実践講座』日本実業出版社
  • 桜井政成(2007)『ボランティアマネジメント―自発的行為の組織化戦略』ミネルヴァ書房

過去の評価ツールセット

クレジット

社会的インパクト・マネジメント実践ガイドは、2016年6月にVersion1.0、2017年6月にVersion2.0が公開されたGSG国内諮問委員会「社会的インパクト評価ツールセット 実践マニュアル」および2018年10月にVersion1が公開された社会的インパクト評価イニシアチブ「社会的インパクト・マネジメント・ガイドライン」をもとに作成しています。

(五十音順・敬称略)
※所属・肩書は作成当時

社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ(2020年5月) 「社会的インパクト・マネジメント実践ガイド Ver. 1」作成チーム

  • 大沢 望 株式会社大沢会計&人事コンサルタンツ
  • 鴨崎 貴泰 認定NPO法人日本ファンドレイジング協会
  • 川合 朋音 認定NPO法人日本ファンドレイジング協会
  • 新藤 健太 群馬医療福祉大学社会福祉学部 助教

GSG国内諮問委員会(2017年6月) 「社会的インパクト評価ツールセット 実践マニュアル Ver. 2.0」作成チーム

  • 伊藤 健
  • 今田 克司
  • 大沢 望
  • 鴨崎 貴泰
  • 川合 朋音
  • 下田 聖実
  • 新藤 健太
  • 藤田 滋
  • 松田 典子

社会的インパクト評価イニシアチブ(2018年10月) 「社会的インパクト・マネジメント・ガイドライン Ver. 1」作成チーム

  • 生田 孝 株式会社富士通総研
  • 伊藤 健 特定非営利活動法人ソーシャル・バリュー・ジャパン
  • 今田 克司* 一般財団法人CSO ネットワーク(作成チームリーダー)
  • 大沢 望* 特定非営利活動法人ソーシャル・バリュー・ジャパン/株式会社 大沢会計&人事コンサルタンツ
  • 鴨崎 貴泰 認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会
  • 川合 朋音* 一般財団法人CSO ネットワーク/認定特定非営利活動法人日本フ ァンドレイジング協会(事務局)
  • 清水 潤子 認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会(事務局)
  • 津富 宏* 静岡県公立大学法人静岡県立大学国際関係学部
  • 平尾 千絵 株式会社ファンドレックス
  • 藤田 滋* 公益財団法人日本財団
  • 松田 典子 認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会(事務局)
  • 三浦 宏樹 公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団
  • (*は主たる執筆・編集者)
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