実践ガイド

社会的インパクト・マネジメント実践ガイド(Ver. 1)

はじめに

 社会的インパクト・マネジメント実践ガイド(以下、実践ガイド)では、社会的インパクト・マネジメントを実践する上でのポイントを10のステップに分けて紹介します。  このステップに沿って事業を進めていくことで、各ステップにおいて様々な観点から事業を検討・分析することができ、より円滑に社会的インパクトの向上を図っていくことができます。

 実践ガイドは、主たる使い手として事業者を想定しています。ここでいう事業者とは、社会的インパクトを生みだす活動を、受益者に対して直接行っている人・組織・チームのことです。

また、実践ガイドは、「ロジックモデル解説」「アウトカム指標データベース」などのツールと併せて使われることを想定して書かれています。実践ガイドを基点とし、ロジックモデルの構築や、測定するアウトカム(成果)の特定、また測定方法の選定などについての解説をご参照ください。

 実践ガイドは他のツールと共に今後も継続的に更新していくことを予定しています。そのためには、利用者の方からのフィードバックが欠かせません。実践ガイドを含むツールの内容の改善に向け、ご意見がありましたら、ぜひSIMIまでお寄せ下さい。

実践ガイドの目的

 実践ガイドは、主に社会的インパクト・マネジメントの実践と、そこから得られた知見の事業への反映を通じて、事業の社会的価値の深化をもたらそうとする事業者を対象に作成されたものです。

 事業等の社会的インパクトを可視化する試みである「社会的インパクト評価」は、資金提供者(助成財団や社会的投資家等)らの関心を集めるものになっています。同時に、社会的活動を行う事業者自らが、さまざまな手法を駆使して事業の社会的インパクトを可視化し、そこから学び、事業を継続的に改善していくことも社会的インパクト評価の重要な側面です。  この観点から、実践ガイドが対象とする「社会的インパクト・マネジメント」も、基本的には社会的事業を行う事業者が組織内部の作業として実施することを想定しています。ただし、調査・分析は事業者だけで行うのではなく、外部の専門家の助けを借りて実施することもよくあります。実践ガイドでも紹介している調査・分析手法などは、専門性がないと実践できない場合も多いため、必要に応じて専門家の助けを借りて調査・分析を実施することを検討してください。 /p>

また、本ガイドの利用にあたっては、下記も併せてご参照ください。

社会的インパクト・マネジメントのステップ

「インパクト・マネジメント・サイクル」

インパクト・マネジメント・サイクル

 社会的インパクトの向上を目指し、インパクト・マネジメント・サイクルを回していくことが社会的インパクト・マネジメントの実践です。その過程で行われる、事業や取り組みの有効性についての体系的な調査・分析と価値判断が「社会的インパクト評価」であり、それは「社会的インパクト評価の5+2原則」を踏まえて行う必要があります。  ここでは、社会的インパクト・マネジメントの実践方法について10のステップに分けて解説します。

実践ガイド コラム

文献紹介

 社会的インパクト・マネジメントに取り組む上で参考になる文献をテーマ別に紹介します。

評価全般

社会的インパクト・マネジメント、社会的インパクト評価

調査・分析手法、統計

  • Duflo, Esther, Rachel Glennerster, and Michael Kremer(小林庸平監訳・解説, 2019)『政策評価のための因果関係の見つけ方: ランダム化比較試験入門』日本評論社
  • Torgerson, David J., and Carole J. Torgerson(原田隆之・大島巌・津富宏・上別府圭子監訳, 2010)『ランダム化比較試験(RCT)の設計―ヒューマンサービス、社会科学領域における活用のために』日本評論社
  • Vaughn, Sharon, Jeanne Shay Schumm, and Jane M. Sinagub(井下理翻訳, 柴原宜幸・田部井潤訳, 1999)『グループ・インタビューの技法』慶應義塾大学出版会
  • W. K. Kellogg Foundation(農林水産政策情報センター訳, 2003)「ロジックモデル策定ガイド」(2020年4月1日閲覧)
  • 小田利勝(2007)『ウルトラ・ビギナーのためのSPSSによる統計解析入門』プレアデス出版
  • 川端亮『データアーカイブSRDQで学ぶ社会調査の軽量分析』ミネルヴァ書房
  • 栗原伸一(2011)『入門統計学―検定から多変量解析・実験計画法まで』オーム社
  • 鈴木淳子(2005)『調査的面接の技法(第2版)』ナカニシヤ出版
  • 鈴木淳子(2016)『質問紙デザインの技法(第2版)』ナカニシヤ出版
  • グロービス(2016)『定量分析の教科書―ビジネス数字力養成講座』東洋経済新報社
  • 日本ソーシャルワーク学会監修(2019)『ソーシャルワーカーのための研究ガイドブック―実践と研究を結びつけるプロセスと方法』中央法規
  • 野村康(2017)『社会科学の考え方 認識論、リサーチ・デザイン、手法』名古屋大学出版社
  • 平山尚・呉栽喜・他(2003)『ソーシャルワーカーのための社会福祉調査法』ミネルヴァ書房
  • 北海道庁「エビデンスに基づく政策展開の推進」調査研究チーム(2019)「『エビデンスに基づく政策展開の推進』のための手引き」(2020年7月3日閲覧)
  • 宮本聡介・宇井美代子編(2014)『質問紙調査と心理測定尺度―計画から実施・解析まで』サイエンス社

マネジメント全般、組織文化・ガバナンス

  • Drucker, Peter F.(上田惇生訳, 2007)『非営利組織の経営』ダイヤモンド社
  • Laloux, Frederic(嘉村賢州解説, 鈴木立哉訳, 2018)『ティール組織―マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』英治出版
  • Senge, Peter M.(枝廣淳子・小田理一郎・中小路佳代子訳, 2011)『学習する組織―システム思考で未来を創造する』英治出版
  • Stroh,David P.(小田理一郎監訳, 中小路佳代子訳, 2018)『社会変革のためのシステム思考実践ガイド―共に解決策を見出し、コレクティブ・インパクトを創造する』英治出版
  • 雨森孝悦(2020)『テキストブックNPO(第3版)―非営利組織の制度・活動・マネジメント』東洋経済新報社
  • 伊藤大輔(2017)『担当になったら知っておきたい「プロジェクトマネジメント」実践講座』日本実業出版社
  • 桜井政成(2007)『ボランティアマネジメント―自発的行為の組織化戦略』ミネルヴァ書房

過去の評価ツールセット

実践ガイドクレジット

 社会的インパクト・マネジメント実践ガイドは、2016年6月にVersion1.0、2017年6月にVersion2.0が公開されたGSG国内諮問委員会「社会的インパクト評価ツールセット 実践マニュアル」および2018年10月にVersion1が公開された社会的インパクト評価イニシアチブ「社会的インパクト・マネジメント・ガイドライン」をもとに作成しています。

(五十音順・敬称略)
※所属・肩書は作成当時

社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ(2020年7月)

「社会的インパクト・マネジメント実践ガイド(Ver. 1)」作成チーム

  • 大沢 望 株式会社大沢会計&人事コンサルタンツ
  • 鴨崎 貴泰 認定NPO法人日本ファンドレイジング協会
  • 川合 朋音 認定NPO法人日本ファンドレイジング協会
  • 新藤 健太 群馬医療福祉大学社会福祉学部 助教

GSG国内諮問委員会(2017年6月)

「社会的インパクト評価ツールセット 実践マニュアル Ver. 2.0」作成チーム

  • 伊藤 健
  • 今田 克司
  • 大沢 望
  • 鴨崎 貴泰
  • 川合 朋音
  • 下田 聖実
  • 新藤 健太
  • 藤田 滋
  • 松田 典子

社会的インパクト評価イニシアチブ(2018年10月))

「社会的インパクト・マネジメント・ガイドライン Ver. 1」作成チーム

  • 生田 孝 株式会社富士通総研
  • 伊藤 健 特定非営利活動法人ソーシャル・バリュー・ジャパン
  • 今田 克司* 一般財団法人CSO ネットワーク(作成チームリーダー)
  • 大沢 望* 特定非営利活動法人ソーシャル・バリュー・ジャパン/株式会社 大沢会計&人事コンサルタンツ
  • 鴨崎 貴泰 認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会
  • 川合 朋音* 一般財団法人CSO ネットワーク/認定特定非営利活動法人日本フ ァンドレイジング協会(事務局)
  • 清水 潤子 認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会(事務局)
  • 津富 宏* 静岡県公立大学法人静岡県立大学国際関係学部
  • 平尾 千絵 株式会社ファンドレックス
  • 藤田 滋* 公益財団法人日本財団
  • 松田 典子 認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会(事務局)
  • 三浦 宏樹 公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団
  • (*は主たる執筆・編集者)
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