Step 7: 事業実施とプロセス管理・モニタリング(SIM第2ステージ:実行)

Step 7: 事業実施とプロセス管理・モニタリング(SIM第2ステージ:実行)

 計画した事業を実施します。実施にあたっては、事業は計画どおり実施されたか、事業による結果(アウトプット)は出ているかを確認するプロセス管理・モニタリングを行います。併せて、実施体制は適切か、アウトプットの生成に影響を与えた貢献・阻害要因の検討も行います。

 効果的なモニタリングには、計画に沿った事業全体の工程管理、予算管理に加え、データの収集・蓄積に努めます。

 次のStep8・9においてアウトカム等に関するデータを収集し、その分析を通して事業の効果や改善点を検討しますが、これを実施するためには事業のアウトカムのみならず、事業の実施状況が適切にモニタリングされていることが必要です。Step8・9の段階になって、事業のアウトカムが達成されなかったことに気が付いたとして、これまでの事業実施状況が全くわからない状況であるならば、「今後、事業の何をどう改善すれば良いのか」という事業改善のための重要な問いに答えることができなくなるからです。

 一方で、事業の実施状況が適切・丁寧にモニタリングされていれば、事業のアウトカムが達成されていない原因がどこにあったのかを検討することができます。例えば、Rossi et al. (2004) は、ある事業について、意図したアウトカムが得られない状況を判断する基準として、①事業が意図した通りに実施されていないことが原因である「実施上の失敗 (implementation failure) 」と、②そもそも事業戦略(ロジック)が誤っている(事業を意図した通りに実施しても期待した成果を得ることができない)ことが原因である「理論上の失敗(theory failure)」の2つを挙げています。

 事業改善にあたって①の場合は「どうすれば意図した通りに事業を実施することができるか」という対策を、②の場合は「どうすればアウトカムを達成できる事業戦略(ロジック)をつくることができるのか」という対策を検討する必要があります。このような検討を可能にするためには、やはり、事業の実施状況を適切・丁寧にモニタリングすることが必要なのです。

(作業例)

  • 事業実施において、想定された事業対象者・受益者にサービスが届いているか、十分な参加が確保されているかをチェックする。
  • 組織内部の担当者間の役割分担、指示系統が有効に機能していることに注意を払う。
  • モニタリングをしながら、アウトプットの記録を整理し、蓄積を行う。

注意すべきポイント

  • 内部評価の場合、モニタリング過多になってしまい、事業担当者が疲弊してしまう場合もあるので、事前に決めたモニタリングが単に「作業をこなす」ものにならないようにする。
  • 「プロセス管理」は、事業の監督者が担当者を統制するものではなく、担当者がノウハウの蓄積のために自発的に行うようにする。

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