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スポーツの多様な参画形態

2020年05月16日

本ツールセットで検討してきたスポーツイベントには、競技性を持たない身体活動、遊戯、レクレーションはもちろんのこと、アスリートやマスコットキャラクター等がアイコンとして地域の活動に参加するものや、クラブを象徴する設備・備品の貸し出し等も考えることができます。これらは、本質的にはスポーツのイベントというより、スポーツを活用したイベントであるといえます。スポーツがより社会課題解決へ貢献していくという流れの中で、スポーツのイベントと同じような目標を持ち、成果を得られる場合があります。

 地域密着の市民クラブを全国に広げることをミッションとしているJリーグでは、「ホームタウン活動」と称する取り組みを全てのクラブが行い、毎年レポートが公開されています。そのJリーグは2018年に25周年を迎えるにあたって、この考えをさらに拡大し、新たに「Jリーグをつかおう」というキャッチフレーズでスポーツと社会が連携する取り組みを始めました。

■ Jリーグをつかおう Jリーグ社会連携本部(シャレン!):https://www.jleague.jp/sharen/

  これは、「スポーツ」をロジック・モデル上の「活動」として位置付けた場合、「する」「みる」「ささえる」の範囲を越えて、スポーツを「つかう」という参画形態があると考えることができるといえます。

 例えば、Jリーグ公式サイトで公開されている「2018年度Jリーグホームタウン活動報告書」によると、ホームタウン活動のジャンルとして、「スポーツ×健康」「Jクラブ×地域振興」「Jクラブ×社会課題」の3つが掲げられています。このうち、Jクラブ×地域振興の例として、まちづくりの一環として障がい者団体が作った商品を販売するのに合わせ、選手、スタッフがファンサービスを行うプロジェクトが紹介されています。

 この場合の社会的な成果は、障がい者も差別や偏見無く一緒に活躍できる地域を創ることであると考えられますが、実際のメインの活動は障がい者団体のイベントであり、クラブの選手、スタッフは運営主体ではありません。しかしながら、地域の中で一定の影響力のある選手、スタッフがイベントに来るという行為に着目すると、障がい者団体はスポーツをつかう側となり、スポーツが様々な分野の活動とつながることでスポーツへの新たな参画につながり、スポーツが社会の発展に貢献するというロジックが成立します。

 スポーツがツールとなることで多様な参画形態を生み、スポーツ参画人口を増やし、社会課題の解決に貢献することで社会の発展を目指すというストーリーは、本ツールセットで扱っているスポーツイベントのストーリーと一致するものです。このあたりに、スポーツをより身近なもの、文化にし、持続できるようにしていくためのヒントが隠されているのかもしれません。

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